オーダースーツのスタイルについてお話させて頂きます。 オーダースーツと聞くと、「何でも出来る」、そんな印象をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、 テーラー毎に特色があるのをご存知でしょうか?
オーダースーツなら何でも出来るのか
テーラー毎にスタイルがあることを知りましょう
オーダースーツは、自身の好みに合わせたスタイルのスーツが作れるのが魅力ですが、 テーラー毎に、得意なスタイルがあるのも事実です。 粋で言うなら、基本はナポリテイストの軽く柔らかな着心地のオーダースーツを得意としており、 どちらかというと、カッチリ仕立てるブリティッシュなスーツは不得意な分野です。 不得意な分野ではありますが対応は出来ます。 ですが、やはり、得意分野の方が圧倒的にクオリティの高いオーダースーツがお届けできます。
オーダースーツの世界も「餅は餅屋」に任せるのが一番です
「餅は餅屋」というように、不得意な分野は安請け合いせず、得意な人に任せた方が良いと思います。 お店は表立って、「出来ない・苦手」とは、なかなか言わないものなので、 こういった誤解が生まれているのかもしれません。 オーダースーツは万能のようであって、実際はそうではない。 やはり、「餅は餅屋」です。
色々なモデルを展開している場合について思うこと
ブリティシュスタイル、イタリアンスタイルなど、様々なモデルを展開しているテーラーもありますが、 私個人の考えとしては、それってどうなの?と思ってしまいます。 そのお店の色は何なのか?得意とするスタイルは何なのか?自信や拘りを持っているスタイルは何なのか? これが、あやふやで伝わってこないように思えてなりません。 結局、どのモデルも中途半端で、本当にそのスタイルを欲するお客様からしたら 物足りないと感じるのではないでしょうか?
テーラーにとってハウススタイルは重要です
明確にハウススタイルを打ち出しているテーラーは、そのスタイルに拘りと自信を持っているので、 それを求めているお客様の心に深く刺さります。 「何でもできます」より、「これがお薦めです」とハッキリ言う方が、 お客様にも分かりやすいと思いますし、結果、満足度も高いのではないでしょうか。 やはり、広く浅くより、狭く深くです。
感性のズレは仕上りイメージのズレに繋がります
店頭にディスプレイされているスーツやジャケット、スタッフの服装や着こなしを見て、 素直に「おっ、イイな!」と思えることが大切です。 そう思わないのであれば、それはご自身の感性とお店の色が合致していないということです。 店頭に並んでいる既製品のスーツを購入しようとした時、イイな!と思わないものは買わないですよね? オーダースーツの場合も、これと全く同じです。
オーダースーツのハウススタイルについて 他のコラムはこちら
オーダースーツ 粋のハウススタイルについて