今回はジャケットの仕立ての良し悪しを見分ける方法についてお話しします。 オーダースーツを取り扱うお店が飛躍的に増えて、昔に比べると手に入れやすい環境になりましたが、 それに伴い、様々な価格や品質のオーダースーツが乱立しています。 オーダースーツの価格と品質は比例しているので、リーズナブルなものはそれなりですし、 高級なものは生地も仕立ても上質です。 でも、これでは抽象的で判断基準が価格だけにもなり兼ねないので、 仕立ての良し悪しを見分けるポイントを具体的にお伝えします。
上質なスーツの見極め方
見るべきポイントは襟です
コートでもジャケットでもそうですが、襟が大きくなるほど縫製は難しくなります。 上質な仕立てのジャケットは、このように襟先がキレイに収まっています。 でも、こんなジャケットを見たことはないですか? ダブルのジャケットの襟が少し反り返っているモノ。 中には、新品の時は襟の収まりがキレイでも、着用していると襟が反り返ってくるものもあります。 案外、見掛けますよね。 実はコレ、縫製があまり上手くいっていない証拠なんです。
何故、襟が反り返ってしまうのか
襟が反り返ってしまうのは仕立ての不良で、剣先のゆとりが不足していることが原因で、 剣先の生地にゆとりがないから、前に引かれて襟が反ってしまうんです。 服地は湿気により伸縮するので、そういった事まで考慮してゆとり寸法を設定する必要があります。 伸縮の度合いは気温や湿度、生地によって様々ですので、高度な職人技と経験値が必要と言われています。 念入りな中間プレスを施した上質なジャケットは、縫製の段階であらかじめ生地を伸縮させているので、 縫い上がり後にこういったツレによる不良が発生することはありません。 他にも様々なチェックポイントがありますが、襟の反り返りは見た目にも分かりやすいので、 覚えておいても損はないと思います。 是非、参考にしていただけたらと思います。
Bespoke Suit(オーダースーツ)スタイリング 動画内で着用しているスーツの詳細
■小川着用スーツ■
Bespoke Suit(オーダースーツ) : fabric by DRAPERS (ドラッパーズ)
Bespoke Shirt : LES LESTON (レスレストン)
Tie : Cantini (カンティーニ)
Chief : MUNGAI (ムンガイ)
■トルソー着用スーツ■
Bespoke Suit(オーダースーツ) : fabric by DRAPERS (ドラッパーズ)
Bespoke Shirt : LES LESTON (レスレストン)
Tie : Francesco Marino (フランチェスコマリーノ)
Chief : MUNGAI (ムンガイ)