オーダースーツ比較 これで分かる!パターンオーダーの本質

知識・ノウハウ

今回はオーダースーツの種類についてお話しします。 内容としては、
①オーダースーツの種類について
②フルオーダーとパターンオーダーの違いについて
③高級なパターンオーダーについて

上記についてお話しします。 この動画をご覧頂くことで、オーダーの種類について整理できて、 パターンオーダーについて、正しく理解することができると思いますので、 是非最後までご覧になってください。

オーダースーツ 種類と品質

オーダースーツの種類

オーダースーツの種類は2つ。 フルオーダーとパターンオーダーです。 よく勘違いされているのは、オーダースーツの種類は3つあって、 一番高価格帯がフルオーダー、その次がイージーオーダー、 そして一番リーズナブルなのがパターンオーダーと言われていますが、これは間違いです。 現在は、イージーオーダーと言う物自体、存在しません。 イージーオーダーという呼び名は、パターンオーダーと言う言葉ができる前に使われていた相当昔の呼び名で、 それが、昔の名残で未だに言葉だけが残っているんです。 他にも、スミズーラ、メイドトゥメジャーといった呼び方がありますが、これらも全てパターンオーダーです。 ですので、オーダーの種類は、フルオーダーとパターンオーダーの2種類と覚えておいてください。

フルオーダー(ビスポーク)スーツ

ビスポークと言われるフルオーダーは、一人一人の体型に合わせて型紙を作成し、手縫いで作り上げます。 基本的にデザインなどに制限はなく、補正の限界値も存在しないため、 よりパーソナルな一着を作ることができます。 自由度が高い分、仕立てには、長い制作期間と高額な費用を要します。 価格は概ねスーツ1着、最低でも¥400,000前後からで、制作期間は時期にもよりますが、 半年ぐらいは見ておいた方が良いかもしれません。

パターンオーダースーツ

パターンオーダーは、ベースとなる数種類の型紙から補正を施し、体型に合わせていくシステムです。 一人一人の体型に合わせて型紙を作成しないため、フルオーダーに比べ価格が抑えられ、 仕上がりまでの期間も短くなります。 ただし、パターンオーダーは、製作工程や補正の度合いによってその品質は様々です。

パターンオーダーのシステムについて

先ず簡単にパターンオーダーの仕組みについてお話しします。 パターンオーダーとは、あらかじめ用意されたマスターパターンをベースに調整していくシステムです。 お店で試着用のサンプルを着て、サイズや体型補正を行います。 洋服作りにおいて、型紙の線の繋がりというのは、とても大切です。 線の繋がりが悪いとキレイに仕上がらないのは勿論、縫い上がりにツレが起きたりもします。 フルオーダーと違って、パターンオーダーの場合、一人一人の体型に合わせて型紙を作るわけではないので、 型紙の線の繋がりを考えた場合、どうしたって物理的に限界があります。 パターンオーダーに補正の限界数値が決まられているのはこの為です。

高級なパターンオーダースーツとは

でも、ここで安いパターンオーダーと高級なパターンオーダーの違いが生まれます。 高級なパターンオーダーの場合、この限界数値を超えても対応できるんです。 その理由は、極端な補正によって繋がりが悪くなった型紙を、一人一人の体型に合わせて修正するからです。 だから、サイズや体型補正の許容範囲が圧倒的に広いんです。 パターンオーダーの場合、一人一人に合わせて型紙を作成しないとお話ししましたが、 高級なパターンオーダーの場合、一から型紙を作成しないまでも、 限界値を超えた分はその人の体型に合わせて型紙を修正しています。 また、フルオーダーは仮縫いが付くけど、パターンオーダーは仮縫いが無い。 そう言っている人もいますが、高級なパターンオーダーは仮縫いを付けることができます。 ですので、より高度な体型補正を入れつつ、仮縫いで更に細部までチェックすることができます。

高級なパターンオーダースーツの製造工程

製造工程についても、高級なパターンオーダーは細分化されていて、 通常は流れ作業でやってしまうことでも職人が手でやっていて、内側の見えない部分に手が込んでいます。 例えば、中間プレス。 これは製作途中でプレスを充てる工程のことですが、高級なパターンオーダーは工程ごとにプレスを行います。 念入りにプレスを充てることで生地が十分に伸縮するので縫い上がりのツレが起きにくいですし、 何より、洋服が立体的に仕上がります。

上質な仕立てと芯地について

スーツの立体感を出す為、芯地という副資材が使われます。 この芯地も毛芯・接着芯といった種類がありますが、高級なスーツには総じて毛芯が使われています。 勿論、それは間違いではないですが、芯地は洋服に立体感を与えるものなので、 極端な言い方をすれば、仕立てが少々悪くても、芯地で誤魔化すことも出来ます。 芯地に頼って立体感を出そうとすると、どうしても分厚いものを使うことになります。 そうすると着心地は硬く重くなりますし、見た目の柔らかさも服地本来の柔らかさも損なわれます。 本当に良い仕立てとは、製作工程で立体感を出すことで、芯地だけに頼るものではありません。 着心地が軽いけど立体感があるスーツは、正に上質な仕立てであることの証明です。 更に言うなら、究極の仕立てとは、芯なしでも洋服に立体感があることだと思います。

高級なパターンオーダースーツはビスポークと同等

高級なパターンオーダーの場合、縫製がマシンの部分が多いのと、補正の限界数値が決まっているだけで、 縫製にしても職人の手の工程がふんだんに盛り込まれています。 補正にしても実際は型紙を修正していますから、工程はビスポークと殆ど変わりません。 世の中に溢れかえっている表面的な情報では、この部分が語られていないんです。 だから、パターンオーダー=安物、という間違った認識を生んでいるんです。 パターンオーダーは、必ずしも安物のスーツではないですし、 ビスポークよりも品質が劣るものでもありませんし、 ましてや、イージーオーダーよりも下、何てことはありません。 高級なパターンオーダーは、ハイレベルなパターンオーダーではなく、 「リーズナブルなフルオーダー」と捉えていただければイメージしやすいかもしれません。 この動画をご覧頂くことで、オーダーの種類やパターンオーダーの本質について、 ひとりでも多くの方に、正しい情報をお届けすることができれば幸いです。

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小川

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