今、メンズクロージングは、大きな変換期にあります。今回は、ジャケットのゴージ位置を例にとって、これからの時代のクラシックスタイルについてお話したいと思います。
ジャケットのゴージ位置とは
ゴージ位置とは、ジャケットの上襟と下襟の縫い目のことを指します。このゴージ位置の上下や角度が時代によって変化するのが紳士服です。昔の服を見ると、ゴージ位置がすごく低くて角度も下を向いていたりしますよね?
スーツのゴージ位置は今が変換期です
従来のスーツはゴージ位置が高め
ノータックのスリムパンツが全盛だった頃、スーツのゴージ位置は高めに設定されていました。ジャケットもタイトフィット&短丈で、注視点を上方に向けて視覚的にも細く見せるのが主流でした。クラシックなオーダースーツにおいても、この流れは一大潮流として長年君臨していました。
ゴージ位置が低めがこれからのスタイル
ジャケットのゴージ位置は、今、大きな変換期です。少し低めに設定したクラシカルな雰囲気が、これからの気分です。その理由は、スーツ全体のシルエットに大きな変化が生まれたからです。
変化の兆しはパンツから
ノープリーツのスリムパンツの終焉
従来のパツパツでスリムなノータックパンツが終焉し、今、パンツはワンタックで適度なゆとりがあるものに移行しています。それに合わせるジャケットが、短丈でタイトフィットだとアンバランスですよね?
ワンプリーツパンツの復権
ワンタックのゆとりがあるパンツに合わせる為、ジャケットは着丈が長くなり、フィット感も、タイトフィットからミディアムフィットに移行。それに合わせて、ゴージ位置が下がり、エレガントでクラシックな雰囲気に進化しています。こう考えると、ジャケットの変化も必然で、全てが繋がっていることがお分かり頂けるのではないでしょうか。
クラシックなオーダースーツは微差こそ大差です
「クラシック=不変」ではなく、クラシックスタイルは時代によって変化を遂げていくものです。ひとつひとつのバランスを時代に合わせて整えることで、新鮮で洒落たスタイルになります。常に着こなしをアップデイトして、いつまでも「カッコイイね!」って言われるよう気を付けたいものです。