フォーマルウェアのお話vol.2。 今回は略式礼装(セミフォーマルウェア)についてお話します。 現代では、よほどでない限り略式礼装でこと足りる場面が多いですが、 着こなしには、やはり決まりがあるので、正しい着装を心掛けたいものです。 スーツに比べ礼装は着る機会が少ないので、いざ着るとなった時にルールを忘れがちだと思いますので、 前回と今回のフォーマルウェアについてのお話を、少しでもお役立て頂ければ光栄です。
略式礼装(セミフォーマルウェア)
タキシード
タキシードは、夜間の略式礼装です。 タキシードという名称は、かつてアメリカのタキシードパークにあった社交クラブで、 黒のディナージャケットを制服としていたことに由来すると言われています。 イギリスではディナージャケットと言い、夜の社交服として宴会、観劇、結婚披露宴など 幅広い場面で着用します。 尚、招待状にブラックタイ着用とあれば、タキシード着用ということになります。
●ジャケット(シングルorダブルどちらでも可) ・色は黒または濃紺(夏は白のウールや麻を用いることも) 襟はピークドラペルorショールカラーで夏物以外は拝絹付き ●パンツ ・ジャケットと共地で脇に1本の側章付きで裾はシングル ●ベスト ・ジャケットと共地か黒のシルクジャカードの襟あきの大きいドレスベストを着用しますが、 ベストを省いて黒か紺のシルクのヒダ付きカマーバンドを用いることも多くあります。 ●シャツ ・白地のピンタックで、襟はウイングカラー、スタッド仕様のシャツを着用。 レギュラーカラー&シングルカフスでも可です。 ●タイ ・カマーバンドと同じ生地の蝶ネクタイor黒の蝶ネクタイ ●靴・アクセサリー ・黒革のプレーントゥorキャップトゥ、黒エナメルのオックスフォード(紐靴) ・ポケットチーフは無地の白麻が基本ですが、ジャケットが白の場合は黒シルク
ディレクターズスーツ
ディレクターズスーツはモーニングコートの代用で、昼の略式礼装として着用します。 黒のシングルorダブルジャケットにストライプパンツ、ベストはジャケットと共地かグレーを合わせ、 シャツは白のドレスシャツを着用します。 付属品はモーニングコートに準じます。
ブラックスーツ
ブラックスーツは本来は礼服ではありませんが、モーニングコートやタキシードの代わりとして 結婚式やパーティ、告別式など昼夜を問わず幅広く着用できます。 改まった席でも、特別、服装に指定のない限りブラックスーツで間に合います。 基本はスーツと同じですが、ややドレッシーに仕立てるのもお薦めで、 例えば、シングルでもピークドラペルの1つボタンにするのも良いと思います。 パンツの裾はシングルが基本です。 付属品はモーニングコートに準じます。
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