【テーラーが教えるスーツ着こなしの基本】スリーピーススーツの正しい着方

着こなし

今回はスリーピースの正しい着こなし方についてお話しします。 お話しする内容は、実際に僕が、スリーピーススーツをオーダーされるお客様にご説明していることで、 テーラーの目線から見たスリーピーススーツの正しい着こなしの方法です。 ファッションは堅苦しく考える必要はないですが、着こなしの基本を知っておくことは大切だと思います。

スリーピーススーツ 着こなしのルール

パンツはサスペンダーで吊る

皆さん、スリーピーススーツを着る場合、パンツはどうしていますか? ベルトで締めていますか?それともサスペンダーで吊っていますか? ベストを着る場合、パンツはサスペンダーで吊るのが基本です。 この着こなし方は、ヨーロッパではスタンダードで、 スリーピーススーツを着た時にベルトを使うのは日本特有のスタイルと言われています。 では、何故、スリーピーススーツを着る時はサスペンダーを使うのでしょうか? その理由をご説明します。

スリーピーススーツはベストの着丈とパンツの股上のバランスが重要

ベストの着丈とパンツの股上には密接な関わりがあります。 スリーピーススーツの着こなしの絶対条件として、パンツのウエストバンドがベストに隠れていること。 このルールに従うなら、股上の浅いパンツを履いた場合に大きな問題が発生します。 股浅のパンツは履く位置が低いので、ベルトを隠すにはベストの着丈をかなり長くする必要がありますが、 ベストのボタンは5個か6個が基本で、一番下のボタンホールから剣先までの長さは7㎝前後なので、 着丈が必要以上に長くなると、このバランスが大きく崩れてしまいます。 ボタンの間隔が広かったり、剣先が異様に長いベストって、スタイリッシュではないですよね? だから、ベストの着丈を長くするのではなく、パンツを吊り上げて調整する。 これが、スリーピーススーツ着こなしの基本ルールです。

スリーピーススーツを着るなら、股浅パンツは合わせない

ベストを着る時、パンツはサスペンダーで吊るのが基本ですから、 スリーピーススーツのパンツは、適度な股上を確保したプリーツ入りが基本です。 股浅のパンツはサスペンダーを使っても吊り上げられないのでベルトが丸見えになって不格好ですし、 ベルトを隠すとなると、ベストの着丈が長くなってしまうので、どちらにしても不格好です。 この辺りは、パンツの着こなし方に関係してくるので、そちらは以前、動画でお話ししていますので、 興味のある方は、下記をご覧になってください。

【スーツ着こなしの基本】 プリーツ入りパンツをエレガントに着こなす方法
【オーダースーツの基本】サスペンダーパンツで失敗しない為の4法則

サスペンダーが苦手な方はスリーピーススーツを着てはいけないのか?

スリーピーススーツを着る際は、パンツはサスペンダーで吊るのが基本ですが、 「サスペンダーが苦手」という方も、一定数、いらっしゃると思います。 その場合は、無理にサスペンダーを使わなくても、ベルトで大丈夫です。 でも、ベルトの場合でも、「ベルトはベストに隠れるようにする」という基本は同じですので、 その辺りは覚えておいて頂いた方が良いと思います。

スリーピーススーツ 着こなしのルール まとめ

パンツはサスペンダーで吊るのが基本
パンツは適度な股上を確保したプリーツ入りが基本。股浅のスリムパンツはNG
ベストの着丈はベルトが隠れる程度が基準
ベストの着丈を長くするのではなくパンツの股上を深くする
小川

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