【M様の実例】ビスポークで叶えるあなただけの理想の一着

オーダースーツ

bespoke_suit_top.jpgスーツは、単に身体に合うだけでなく、着る人のスタイルや生き方を表現するものです。長きにわたり私たちのビスポークスーツをご愛用いただいているM様は、既製服や他店でのオーダーでは解消しなかった「しっくりこない」という長年の悩みを抱えていらっしゃいました。M様がどのようにして理想のスーツと出会い、そして私たちとの信頼関係の中でご自身のスタイルを確立していかれたのか、3着のビスポークスーツに込められたM様のこだわりと、それを形にした私たちのご提案をご紹介します。

1着目:ビスポークとの出会い--フィット感とスタイルの追求

20230212_bespoke_16.jpgM様が当店にお越しになったのは、これまで他店で数着オーダーメイドスーツを依頼したものの、サイズ感やフィット感に納得がいかず、その原因に悩んでいた時期でした。以前のスーツは肩が凝り、長時間着ているのが苦痛だったそうです。 しかし、当店で初めてMTM(メイド・トゥ・メジャー)スーツをオーダーいただいた際、その着心地にM様は驚かれました。「肩周りに吸い付くような感覚で、長時間着ていても肩が凝らない。他のスーツはもう着たくない」と、MTMの完成度の高さに満足いただけました。この経験を機に、MTMでのリピートオーダーを重ねる中で、ご自身の理想とするスーツ像が明確になっていきました。 その中でM様が新たに求められたのは、単なるフィット感だけでなく、「自分のスタイルを確立したい」という願いでした。

M様からのご要望

  • ナポリスタイルを取り入れたクラシックなダブルスーツ
  • クラシックながらもリラックスした雰囲気
  • ダブル6ボタン段返り、低いゴージのワイドラペル、着丈はやや長め
  • イメージに合う参考画像やブランドの情報提供

このご要望に対し、当店では、事前にメールでの詳しいヒアリングを行いました。さらに、お客様専用のウェブサイトを開設し、そこにイメージ画像と解説をアップロード。ダルクオーレ、リベラーノ、セミナーラ、アントニオパニコといったテーラーのスーツや、ジャンニ・アニエッリ氏の着こなしなど、多くの視覚情報をご提供しました。 このプロセスを通じて、M様のイメージは「ジャンニ・アニエッリ氏のスタイルに近い」という具体的な方向へと定まっていきました。当時の構築的な肩のスーツを、丸く柔らかなナポリスーツの雰囲気にアレンジし、現代的に改良する提案をさせていただきました。この綿密な事前準備により、採寸当日はフィッティングと細部の調整に時間を使い、お客様、職人の小島氏、私の3者間での対話を深めることができました。

具体的なご提案内容

• 生地
粗野な雰囲気とハリコシを好みつつも、ナポリの柔らかなスタイルとの相性を考慮し、ドラッパーズの「スペルビオ&ボーソレイユ」をご提案。21ミクロンの太い糸を370グラムの目付けでありながら、イタリア生地特有の柔らかさを持つチャコールグレーのヘリンボーンをお選びいただきました。

• ディテール
北イタリアの構築的な要素に南イタリアの柔らかさを加える。ナポリスーツに伝統的な肩線と2面体の型紙、襟の地の目の取り方やハンドステッチで遊び心を加えるなど、ビスポークならではの選択肢をご提案しました。

丁寧な採寸とヒアリング

当店のビスポークでは、ジャケット14箇所、パンツ6箇所の合計20箇所を丁寧に採寸します。バストやウエストといった基本的な箇所はもちろんのこと、前幅、背幅、肩の高さなど、細部に至るまで計測。M様は肩幅が広く、怒り肩という特徴をお持ちでしたので、特にその辺りを入念に採寸を行いました。 採寸と並行して、サイズ感、シルエット、デザイン面でのご要望もじっくりとお伺いし、これらの採寸とヒアリングに基づき、M様の専用型紙を作成します。

仮縫いで細部を調整

約2ヶ月後に仕上がった仮縫いでは、実際にA様に着用いただき、その特徴を考慮したフィット感を確認しました。怒肩は肩先が上がって見えるため、首の付け根にシワが出やすく、体の傾斜によっては肩先が当たって前肩にストレスを感じることがあります。仮縫いでは、しつけを解きながら肩の収まりが良い位置を丹念に探し、M様の身体に合うフィット感を追求しました。

中本縫いでさらなる調整とご提案

仮縫いからさらに約2ヶ月後に行われた中本縫いでは、仮縫いでの修正を加えて組み上げた状況を、さらに細かくチェックします。袖を外して肩先のしつけを解き、前肩の当たり具合やゆとりを確認。「この生地だとこんな縫い方をしたら面白いかも?」といった、実際に縫製を進める中で職人が思いついた手法やディテールも盛り込み、ビスポークならではの楽しみ方をご提案させていただきました。二度の調整を経て本縫いに向かうことで、A様がストレスなく快適にお召しいただけるスーツへと仕上げていきました。

1着目 仕上がり紹介:北イタリアと南イタリアのデザイン融合

20230212_bespoke_08.jpg20230212_bespoke_15.jpgジャンニ・アニエッリ氏のダブルスーツから着想を得てお作りしたこの一着。当時の構築的な肩と直線的な襟の深いVゾーンを持つダブルスーツの雰囲気を残しつつ、構築的な肩をナチュラルショルダー&マニカカミーチャでリラックスした表情に。直線的だった襟を緩やかに弧を描くベリード気味のラペルへと調整しました。北イタリアのデザイン要素に南イタリアの柔らかな雰囲気を融合させたM様独自のスタイルが完成しました。

ナポリスーツにみられる肩の仕立て

bespoke_suit_fivestars_a0463_6.jpg写真からお分かりいただけるように、肩線がわずかに後ろに振られています。これはナポリのクラシックスーツに見られる仕立てで、前から見た時に肩の縫い目が見えにくく、よりすっきりとした印象を与えます。お客様との会話の中で、職人の小島から提案させていただいたビスポークならではの手法です。

2面体とナポリ仕立て

bespoke_suit_fivestars_a0463_17.jpgM様のスーツは、一般的なジャケットとは異なる「2面体」という独特なパターンで仕立てられています。これは、ジャケットの身頃を構成するパーツの数を指します。

・2面体と3面体の違い
一般的なジャケットのほとんどは「3面体」と呼ばれる手法で、前身頃・脇・後ろ身頃の3つのパーツで構成されています。一方、M様のスーツのような2面体は、前身頃が脇まで1つのパーツで、脇から背中心までがもう1つのパーツとなっており、脇下に縫い目がないのが特徴です。ナポリのサルト(仕立て職人)によるジャケットに多く見られる2面体の型紙でお作りさせていただきました。

・2面体の効果
2面体で仕立てられたスーツは、バストダーツが裾まで貫通しています。これにより、バストに豊かな立体感が生まれます。この立体感は2面体のパターンだからこそ最大限に引き出せる効果です。M様のスーツには、生地が持つコシや膨らみ、そして手縫いならではの柔らかな表情を最大限に活かすため、この2面体を採用しました。

襟の地の目の取り方

bespoke_suit_fivestars_a0463_4.jpgビスポークの選択肢として、襟の地の目の取り方の変更をご提案しました。通常、襟の地の目はラペルの折り返しに平行ですが、見返しの裾で地の目を取ることで、襟の柄が通常より傾いています。一見して分かりにくい部分ですが、細部にまで個性を反映できるのがビスポークの魅力です。

パンツのクセ取りによる立体的なシルエット

20230212_bespoke_14.jpg人間の体はヒップが膨らみ、ヒザにかけて細くなり、そこからふくらはぎが膨らんで足首に向かって細くなっています。「クセ取り」とは、この体の曲線に合わせてアイロンで生地にクセを付けるビスポーク特有の工程です。ヒップからヒザ、そしてふくらはぎから裾に向かって緩やかなS字のカーブを作ることで、パンツがお客様の体に沿った立体的な形状となり、きれいなシルエットが生まれます。

完成とM様の声

bespoke_suit_fivestars_a0463_14.jpgbespoke_suit_fivestars_a0463_15.jpg袖を通した瞬間、M様は「おぉ~、これはすごい!」と感想を述べられました。「首から肩にかけて体に吸い付くような感覚で、それでいて体の動きに合わせてスーツがついてくる。全くストレスがない。パンツは立体的なシルエットでとてもきれい。弧を描いたベリード気味のラペルもゴージ位置もイメージ通りで満足だ」と、着心地と仕上がりに大変満足いただきました。

2着目:信頼の継続--着心地とデザインのバリエーションを求める

bespoke_suit_greenhills_a0495_18.jpg1着目のお渡しから約1年後、M様から2着目のビスポークのご依頼をいただきました。この間もMTMスーツをオーダーいただいており、ビスポークの着心地の良さを改めて実感されていたM様は、ドラッパーズの「グリーンヒルズ」という生地に魅力をお感じになり、「これはビスポークしてみたい!」と強く思われたそうです。

リピートの理由

  • MTMの着心地も十分満足していたが、ビスポークは更に着心地が良かったから
  • 1着目とは襟の雰囲気を変え、スーツのバリエーションを増やしたかったから
  • 1着目とは正反対の、細番手ウールでのビスポークの仕上がりと着心地の違いを体験したかったから

M様からのご要望

  • 中本縫いのみでの進行(仮縫いなし)
  • 1着目のラペルのカーブ形状を保ちつつ、ゴージの角度を上げる
  • 腰ポケットにアールを付ける
  • ベントを深くする
  • ベストの背面も共布にし、アジャスターを省く
  • サイドアジャスターは省き、アジャスト用ボタンを付ける

2着目以降は、1着目から大幅な変更がなければ中本縫いのみで進行できるため、納期短縮と費用を抑えるご提案をさせていただきました。中本縫いからの修正が難しい箇所(襟幅、ゴージの上下、襟の形状、腰ポケットのカーブなど)は事前に丁寧にご説明し、型紙作成後には該当箇所の画像をメールでご確認いただくことで、お客様のイメージとの齟齬がないよう細心の注意を払いました。

2着目 中本縫いでの調整

今回お選びいただいたのは、1着目とは対照的な柔らかな風合いの細番手ウールでした。生地によって身体への当たりやシワの出方が異なるため、中本縫いでは生地の特性に合わせて調整具合を細かく変更します。特に今回は柔らかな生地のため、念入りに調整と確認を行い、より体に吸い付くようなフィット感を追求しました。併せて、事前にご要望いただいた襟の雰囲気や腰ポケットのカーブの具合をA様にご確認いただき、最終的な調整を進めました。

2着目 仕上がり紹介:上品な艶と都会的な表情を兼ね備えたスーツ

bespoke_suit_greenhills_a0495_15.jpg上品な艶と色出し、滑らかな肌触りが魅力のドラッパーズの「グリーンヒルズ」に合わせて都会的な表情を取り入れた今回のスーツ。クラシックなナポリスタイルを踏襲しつつもゴージの角度を上げ、襟から前端にかけてアールを描いてフロントが立ち上がるように調整することでモダンな雰囲気を取り入れています。1着目のスタイルを基本としつつ、新たなM様のスタイルが完成しました。

ゴージの角度調整による印象の変化

bespoke_suit_greenhills_a0495_17.jpgM様からのご要望で、1着目よりもゴージ(上襟と下襟の継ぎ目)の角度を上げてお作りしました。ゴージ自体での違いは分かりにくいかもしれませんが、下襟の剣先にご注目ください。2着目の方がわずかに上向きになっているのがお分かりいただけるでしょうか。ゴージの角度を上下させることで、ジャケットの印象は大きく変わります。まさにジャケットの「顔」とも言える部分です。
※画像の左=1着目 右=2着目

腰ポケットのアールとベントの深さ

bespoke_suit_greenhills_a0495_4.jpg通常の腰ポケットは水平に作られますが、A様からのご要望でアールをかけてベントの上部に繋がるようなイメージで仕上げました。ナポリのダルクオーレでは前下がりのカーブを描いた「ゴンドラポケット」が採用されることがありますが、今回のような後上がりのカーブは当店にとっても新しい試みでした。極端なカーブだと誇張しすぎてしまうため、型紙の段階からA様にもカーブの具合をご確認いただき、さりげないディテール変化として取り入れました。ベントを深くすることで、よりクラシックでエレガントな印象を与えます。

ベスト背面の仕様:共生地ではなく裏地を活かした提案

bespoke_suit_greenhills_a0495_16.jpg当初、M様からはベストの背面も表生地を使って尾錠をなしにしたいというご要望をいただきました。もちろん、背中を共生地でお作りすることも可能ですが、お選びいただいた「グリーンヒルズ」との相性についてご説明させていただきました。 私見ではありますが、ベストの背を共生地にするデザインは、やや英国的な雰囲気を持ちます。一方、今回の「グリーンヒルズ」は、その滑らかさやドレープ感が特徴のイタリア生地です。この繊細な表情を最大限に引き出すためには、背は通常通り裏地を使用し、尾錠をなくしてすっきりさせることで、より都会的で洗練された雰囲気に仕上がることをご提案しました。M様はこの提案をご快諾くださり、結果として生地の魅力を活かした一着が完成しました。

パンツの脇尾錠を省き、アジャストボタンを配置

bespoke_suit_greenhills_a0495_9.jpg1着目のパンツは脇尾錠付きでお作りしましたが、2着目ではM様のご要望で脇尾錠を省き、アジャストボタンを配しました。パンツのアジャストボタン自体は目新しいデザインではありませんが、多くは両脇の腰骨付近にボタンが付いています。M様からのご要望は、フロントの持ち出しの横にアジャストボタンを付けるというものでした。もちろん、ウエストの寸法調整という機能はありますが、何よりもデザイン性を優先したこのディテールは、とても新鮮な印象を与えます。

2着目完成とM様の声

bespoke_suit_greenhills_a0495_10.jpgbespoke_suit_greenhills_a0495_11.jpgbespoke_suit_greenhills_a0495_12.jpgbespoke_suit_greenhills_a0495_13.jpg「襟の雰囲気、腰ポケットのカーブもイメージ通りだった。これで襟のデザインが2パターンになったので、3着目はこれを活かしたデザインで作りたい」と、早くも次への期待をお話しくださいました。特に、「深くしたベントの頂点に向かって自然なカーブで繋がっているので横からの見た目がスマートだ」と、細部の美しさにも満足いただけた様子でした。「着心地はとても軽い。これだけ軽いのに袖を通してみるとふくらみ感、立体感があるのが不思議な感覚だ。今回も満足のいく仕上がりだった」と、異なる素材でのビスポークの仕上がりに、改めて満足の声をいただきました。ご来店時に着用されていたシャツをお合わせいただいた際、ジャケットの右袖丈がわずかに短かったため、最終的に袖丈を調整してからお渡しいたしました。

3着目:スタイルの確立--快適性とヴィンテージ感の追求

bespoke_suit_universal_a0546_18.jpg2着目のお渡しから9ヶ月後、A様から3着目のビスポークのご依頼をいただきました。今回は、ハリソンズの「UNIVERSAL」というヘビーウエイト(545グラム)のグレーストライプ生地に魅力を感じられたことがきっかけでした。「ヴィンテージの古着にあるようなウールの油が抜けたようなガシッとした風合いで、手縫いの温もりやクラフト感が際立つ素材」に触れた瞬間、A様は「これはビスポークで!」と即座に決められたそうです。

M様からのご要望

  • 1着目の襟のデザインを踏襲しつつ、ダブル6×2、6×1のどちらでも着用できるようにしたい
  • ヴィンテージ感を出すため、太めの糸でダブルステッチにしたい
  • パンツの裾が靴の履き口に引っかかることがあるため、寸法を調整したい
  • その他は基本的に2着目の仕様を踏襲

M様からの3着目のご依頼も、これまで同様に信頼関係に基づき仮縫いなしの中本縫いのみで進行させていただきました。M様からは、1着目の襟のデザインを踏襲しつつ、ダブルのジャケットを6×2、6×1のどちらのスタイルでも楽しめるようにしたいというご要望をいただきました。また、生地の持つヴィンテージ感を最大限に引き出すため、太めの糸でダブルステッチを施すこと、そしてパンツの裾が靴の履き口に引っかからないよう寸法を調整することもご希望されました。その他は基本的に2着目の仕様を踏襲し、M様のスタイルがさらに洗練されるよう、細部にわたり調整を行いました。

3着目 中本縫いでの調整

今回お選びいただいた生地は545グラムと厚みがあるため、中本縫いでは通常の生地よりも寸法と補正値を念入りに調整しました。パンツのウエストは生地の厚みを考慮して前回よりもわずかに大きくし、シルエット調整による裾の引っ掛かりの解消具合も細かく確認しました。ジャケットは袖を外し、肩先のしつけを解いて、前肩の当たり具合やゆとりを確認しました。生地が厚くなると身体への当たりが強く感じられることもあるため、この点も入念な確認と調整を行いました。また、M様にご要望いただいた襟の返り位置についても、この段階でご確認いただき、最終的な微調整を加えました。

3着目 仕上がり紹介:英国生地が引き出すナポリの真髄

bespoke_suit_universal_a0546_19.jpgbespoke_suit_universal_a0546_20.jpg「これぞ英国!」と言うべき粗野でヘビーウェイトな生地は、意外にもナポリの軽やかな仕立てと好相性です。これまでの2着のスーツのデザインやディテールを踏襲しつつ、襟の返り位置を上げてモダンな表情を取り入れ、クラシックでありながら現代のスーツらしい都会的な雰囲気を取り入れてお作りしました。以前の2着とは明らかに個性の異なる無骨な生地ですが、むしろナポリらしさが際立つ一着に仕上がりました。

襟の返り位置:着こなしの幅を広げる微調整

bespoke_suit_universal_a0546_21.jpgダブル6×2、6×1の中間になるよう、返り位置を調整しました。具体的には、これまでの2着よりも襟の返り位置を上げました。襟の返り位置とゴージの角度は相関関係にあり、それによって襟の表情が変わります。今回は襟の雰囲気は今までを踏襲するご要望をいただいていたため、返り位置を上げつつも、ゴージの角度や襟の雰囲気が変わらないポイントを探して調整しました。

ステッチ:生地の個性を引き出す手縫いの妙

bespoke_suit_universal_a0546_9.jpg20番手の太めの糸を使用し、手縫いのダブルステッチを施しました。生地自体に存在感があるため、それに負けない太い糸でハンドステッチを施すことで、スーツ全体のクラフト感が際立ちます。表生地の特性に合わせてステッチの糸の太さを変えられるのも、ビスポークならではの楽しみ方です。

パンツのシルエット調整:快適な着用感と美しいドレープ

bespoke_suit_universal_a0546_11.jpg靴の履き口への引っ掛かりを解消するため、渡りから裾にかけて1cm広げ、さらにS字のクセ取りを施しました。この調整により、シルエットにゆとりを持たせつつ、クセ取りによってふくらはぎ部分に美しい膨らみが生まれます。これにより、生地の落ち感が向上し、より洗練されたシルエットを実現しました。

ボタンフロント:クラシックと機能性の融合

bespoke_suit_universal_a0546_13.jpgパンツはボタンフロントでお作りしました。現代では利便性からほとんどのパンツがファスナー仕様ですが、クラシカルな雰囲気を持つボタンフロントはビスポークスーツにとって非常に相性の良いディテールです。密閉性が高いファスナーに比べ、ボタンフロントはボタン穴が体の動きに合わせて横方向への運動量を生み出します。クラシカルな見た目だけでなく、実はこのような機能性も魅力の一つなんです。

3着目の完成とM様の声

bespoke_suit_universal_a0546_15.jpgbespoke_suit_universal_a0546_16.jpgbespoke_suit_universal_a0546_17.jpgbespoke_suit_universal_a0546_22.jpg「今回もイメージ通りの仕上がりだった。540グラムの生地だが、実際に着てみると目付けほど重さを感じないし、着ていても肩が凝らない。返り位置も丁度良く、基本的に6×1で着ることが多いが、これなら上のボタンを留めて6×2で着られるので、着こなし方が広がった。パンツの裾の引っかかりも解消して問題ない。ヴィンテージのような風合いでこの荒々しい感じがとても気に入った。」と、機能性とデザインの両面にご満足いただけました。そして、特に感動されたのはパンツの着用感です。「S字のクセ取りをしてもらっているので階段を登る時でもまとわりつかず、パンツが先導している感覚がある。とても快適だ」と、ビスポークならではの立体的なシルエットと快適さを高く評価いただきました。

あなただけのスタイルを、私たちと共に

M様の3着にわたるビスポークスーツの物語は、単に服を仕立てる行為を超え、お客様、職人、そして私の三者が共に理想を追求する過程を示しています。M様との間に築かれた深い信頼関係があったからこそ、M様の細やかなこだわりや潜在的なニーズを深く理解し、それを最高の形で実現することができました。当店が目指すビスポークは、単に体に合うスーツを提供することだけではありません。お客様一人ひとりのライフスタイルに寄り添い、「自分らしいスタイル」を確立するプロセスをサポートすることで、着る方に自信と満足感というかけがえのない価値をご提供したいと考えています。あなたも、ご自身の体と心に寄り添う一着を体験してみませんか? どんな些細なご相談でも、どうぞお気軽にお問い合わせください。当店が、あなたの理想を形にするお手伝いをさせていただきます。

小川

お客様のお話をじっくりお伺いさせていただき、ご要望にお応えできるように努めております。オーダーメイドの製作のみならず、スタイリングやコーディネートのお手伝いをさせて頂くことで、お一人お一人の魅力引き立つファッションをお楽しみいただくことが一番の喜びです。是非、お気軽にご相談、お問い合わせください。

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