スーツはタイドアップスタイルが基本ですが、「ビジネス=スーツにタイドアップ」だけではなくなってきた今、肩の力を抜いてカジュアルに着こなすのもおすすめです。実際にスーツで色々な着こなしを楽しみたいとお考えの方も多いと思います。でも、いざ着るとなると、「ところでどんなスーツを選んで、どうやってコーディネートすればいいんだろう?」とスーツの着回しに難しさを感じることもあるのではないでしょうか。
スーツはノータイスタイルや上下単品使いすると着こなしの幅が広がります。そのような着こなしを楽しむには「スーツの素材感」がとても重要です。一般的なスーツは表面がツルっとした梳毛と言われる細番手のウールを用います。そういったスーツはエレガントなタイドアップには適していますが、ドレスダウンを楽しむなら表面変化のある生地を選ぶのがポイントです。おすすめはフランネル。フランネルは生地の表面がふんわり柔らかく起毛されているので特有の寛ぎ感があります。ツルっとした一般的なスーツ生地よりはスポーティーさがあるのでノータイスタイルもお洒落に決まりますし、スーツの上下それぞれを単品使いすることもできます。
そこで今回は、ドレスアップ・ドレスダウンの壁を越えて万能に着られるフランネルスーツを着こなしとともにご紹介させて頂きます。このスーツ一着でドレッシーもリラックスも簡単に楽しめます。しかも、お手持ちのパンツも有効活用できます。では、これから詳しくお話しさせて頂きます。
秋から春まで着られるソフトフランネル
秋冬ならではの素材といえばフランネルが筆頭。季節感を感じる素材として人気ですが、「寒くなってからしか着られないので着用期間が短くて・・・」とお感じの方もいらっしゃるかと。一般的にフランネルのスーツは気温がグッと下がる12月ぐらいから着用機会が増え、春の訪れを感じる前の2月いっぱいまでが主な着用期間です。もう少し長く着ようと思っても11月だとまだ早いし、春の訪れを感じる3月だと重たく見えるので、どうしても着用期間が限られます。
そこで私は、ドラッパーズの「TOPLINE」というスーパー150'sウールにカシミヤを10%ブレンドした280gのソフトフランネルをセレクトしました。フランネル特有の温かみのある表情がありながら薄くて軽く、起毛感を控えめにしてあるので、秋から春までの長い間、着用することができます。真冬にしか着られない一般的なフランネルとは別物です。カシミヤの混率は10%ですが、まるでカシミヤ100%のような艶と滑らかさがあります。特にこのような大柄のヘリンボーンなら、陰影によって素材の上質さが一層際立ちます。
フランネルスーツは締めてよし、緩めてよし
フランネルスーツは色々な着こなしを楽しめるスーツの筆頭候補ですが、どう着ればいいの?とお思いの方もいらっしゃると思います。ですが、ご安心ください。ご紹介するドラッパーズ「TOPLINE」のソフトフランネルスーツの魅力はどう着てもサマになる着こなしやすさにあります。タイドアップでキリっと引き締めてもエレガントですし、カジュアルに着こなすのもとても簡単で、タートルやクルーネックなどのニットと好相性です。リラックスした着こなしでも砕けすぎる心配はありません。絶妙な起毛感なのでカジュアルすぎることがないので日常のビジネスシーンで使いやすく、今までフランネルのスーツをあまりお召しでない方も難なくトライして頂けます。
Style.1 シルクのタイでシックに華やかに
控えめな起毛感のソフトフランネルスーツはドレッシーなシルクのタイをキュッっと締めてエレガントに着こなせます。フランネルのような起毛した寛ぎ感のあるスーツには、同様の雰囲気を持つウールタイを合わせることが多いと思います。リラックスしたタイドアップスタイルとしては魅力的ですが、ウールタイのお手持ちが限られることもあると思います。控えめな起毛で艶があるドラッパーズ「TOPLINE」のソフトフランネルスーツなら、ドレッシーなシルクタイでタイドアップしても仰々しく見えることはありません。是非、お手持ちのシルクタイとのコーディネートをお楽しみください。
Style.2 ニットインしてドレカジに
ニットインすれば、気取らないさり気なさを持ったスーツのドレスダウンスタイルが楽しめます。シンプルなコーディネートなのでオフィスでのドレカジにも馴染みやすいですし、リラックスして過ごしたい出張の行き帰りにもいいと思いませんか?その他、ホテルディナーやゴルフ場など節度あるドレスコードが求められる場面でもお召し頂けます。スーツが表情のある素材なので色数を絞ったシンプルコーデが映えます。
Style.3 ジャケット単品使いで
ドラッパーズ「TOPLINE」のソフトフランネルのスーツは上下単品使いにも対応。ここではスーツのジャケットを単品使いしたスタイルをご紹介します。出張時をイメージして、あえてコーディネートに使用するアイテムを厳選し、最小限のアイテムで最大限の着こなしを楽しむ方法をご紹介させて頂きます。出張時の強い味方になってくれるスーツの着回し事例をどうぞご覧くださいませ。
王道のグレースラックス合せ
先ずは王道のグレースラックスを使用したスタイルからご紹介させて頂きます。こちらのスラックスは320gのカバートクロス。当店では、多くのお客様からスーツ・単品パンツのご注文を頂いている人気シリーズです。ブルークレリックのシャツにベージュのストライプとボルドーの小紋タイをセット。どちらもシックな色使いですが、適度な軽快感があるスタイルです。
続いては、シャツをネイビーのロンドンストライプに変えたスタイルです。シャツを変えるだけでグッとクラシックな印象になります。この場合、シューズはブラックでもOKですが、ブラウンのタッセルを取り入れてみるのも控えめな華やぎがあってお洒落です。
出張の行き帰りやオフィスでのビズスタイルなど、リラックスしたい時にはインナーニットはいかがでしょうか。スーツのニットスタイル同様のアイテムを使い、パンツをグレースラックスに変えているだけですが、それだけで2パターンのコーディネートがお楽しみ頂けます。このように、ソフトフランネルのスーツは、お手持ちのグレースラックスを活用して着こなしの幅を広げることができます。
スポーティー且つエレガントなベージュスラックス合せ
続いてはウールのベージュスラックスを使用したスタイルです。こちらも生地は320gのカバートクロスです。左のスタイルはグレースラックス同様のシャツとタイを使用していますが、パンツが変わると違った印象ですよね?そして右側のスタイルはタイだけ違うものに変えています。グレースラックスの合わせよりも軽やかに見えスポーティーな雰囲気の着こなしが楽しめます。ウールのベージュスラックスをお持ちでない場合、ややスポーティーな印象にはなりますが、コットンのベージュスラックスでも代用できます。
楽して洒落るグリーンスラックス合せ
そして、最後は深いグリーンのウールスラックスを使用したスタイル。生地は同じく320gのカバートクロスです。グリーンのスラックスと聞く合わせが難しいとお感じの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はコーディネートはとても簡単です。こちらのスタイルはグレースラックスの時と同様のシャツとタイを使用して、パンツだけグリーンに変えています。深いグリーンはビジネスで使用する落ち着いたカラーと馴染みが良いので使い勝手が抜群です。グレースラックスの代わりにお使い頂くと新鮮なコーディネートがお楽しみ頂けます。
ご紹介したコーディネートは、スーツのタイドアップ、ドレスダウン、ジャケット単品使いとも、基本的には同じアイテムを使用していますが、どこか一つ違うアイテムを取り入れるだけで異なる着こなしが楽しめます。勿論、他にも様々なアイテムとコーディネートできますが、ビジネスでの着こなしを前提にした場合、出張など持参できるアイテムに限りがあるケースも多いと思います。そんな時はいかに手持ちのアイテムを使ってスーツの着まわしを楽しめるのかが大切だと思います。
それを可能にしてくれるのが着回しやすいソフトフランネルのスーツです。難しく考えなくてもコーディネートが決まる実に懐の深いスーツです。この便利さこそ、着回し自在たるゆえん。スーツの楽しさを改めて実感して頂けます。店頭にはドラッパーズの「TOPLINE」で作成したスーツ・コートのサンプルと多数のバリエーションを収録した生地ブックをご用意しておりますので、先ずはお気軽に現物をご覧くださいませ。ご予約のご連絡の他、何かご質問やご不明点などございましたら、メールもしくはお電話でお気兼ねなくお問い合わせくださいませ。
私のソフトフランネルスーツの楽しみ方
スーツ&ジャケット
上の画像でご紹介したスタイルを私は実践しています。セットアップスーツのジャケットを単品使いする場合、スーツの上を着ている感が残ることがありますが、このドラッパーズのTOP LINEはそのような違和感を一切感じません。スーツとしては勿論ですが、ジャケット単品としても大活躍してくれます。私の場合、ドレッシーに着こなしたかったのでジャケットの腰ポケットは両玉縁にしましたが、リラックスした雰囲気で着こなしたい方はアウトポケットにするのも良いと思います。
コート+スーツ スリーピース
ドラッパーズのソフトフランネル「TOP LINE」は軽い仕立てのスポルベリーノコートにもよく合います。私はコートとスーツを同じ生地で仕立て変則的なスリーピーススタイルを楽しんでいます。コート+スーツのスリーピーススタイルは個性的なのに華美にならず控えめな印象なので着こなしやすくビジネスにも取り入れやすいのでおすすめですよ!