チャッカブーツで叶えるジャケパンにもカジュアルにも使えるオーダー事例

JOE WORKS

chukka_boots_joeworks_arizona_black_09.jpg事前に『JOE WORKS受注会のお知らせ希望フォーム』にご登録いただき、2025年1月に開催した受注会で初めて当店にご来店くださったK様。今回オーダーをご検討になるきっかけは、お仕事のジャケパンスタイルとプライベートのカジュアルスタイル、その両方のスタイルに合わせられる靴が欲しいというニーズからでした。

事前ヒアリング

『JOE WORKS受注会のお知らせ希望フォーム』にご登録の方には、受注会告知前に先行予約を承っています。私からは優先予約のご案内の他、「普段お召しの靴メーカーとサイズ」「オーダーをご検討中のデザイン」についてメールにて事前ヒアリングさせていただきました。 K様のサイズは、パラブーツはサイズ7、スコッチグレインはサイズ25 1/2、スニーカーは26.5cmで、JOE-6または01でブラックのチャッカブーツをご検討でした。革の種類や細かなデザインで少し遊びを加えたいというご要望もお聞かせいただきました。 お伺いした情報をJOEWORKSの駒澤氏と共有し、当日スムーズにご案内ができるよう、お試しいただけるサイズサンプルは勿論、ご検討デザインのサンプルを可能な限りご用意してお迎えしました。

受注会当日

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事前にお聞きしていた通り、当日はチャッカブーツのサンプルをご用意しました。 ジョーワークスのチャッカブーツには、丈の長い「ジョージブーツ」と、一般的な丈の2モデルがあります。ジョージブーツは丈が長くなる分、足首の可動域に影響し、しゃがみにくくなる可能性があります。そのため、K様のお仕事やプライベートの際に、立ったり座ったりする動作が多いのかを、まず確認させていただきました。 お客様からは、特別そういう(立ったり座ったりの)動作が多いわけではないけど、動きにくいのは避けたい」とのことでした。このご回答を受け、日常的に快適に着用いただけるよう、今回は一般的な丈のチャッカブーツでオーダーを進めることになりました。

素材選び:遊び心と実用性を両立するアリゾナレザー

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K様は当初、シボ革のブラックをお考えでした。事前ヒアリングで「革の種類やデザインで遊びを加えたい」というご要望をいただいていたため、今回はアリゾナとキャメル(ラクダ)の革を使ったサンプルもご紹介させていただきました。

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キャメルレザーは基本的に丈夫で安心してお履きいただける上、流通量が少ないため目新しさがあります。一方、アリゾナレザーは、柔らかく足への馴染みが良いのに、伸びすぎることがなくコシがあってしっかりしているのが特徴です。

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この「柔らかいのにコシがある」という珍しい特性について、JOE WORKSの駒澤氏からも詳しくご説明させていただきました。私自身もアリゾナレザーのシューズをオーダーし、その適度な肉厚さともっちり感、履きやすさを実感していますので、その体験談もお話させていただきました。 K様にもアリゾナレザーに強いご興味をお持ちいただけたため、最終的にアリゾナのブラックで、JOE-06の一般的な丈のチャッカブーツをオーダーいただくことに決定しました。

細かな仕様の決定:カントリーテイストをプラス

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シンプルなチャッカブーツに、「カントリー風のイメージを取り入れて、キレイすぎないように仕上げたい」というご要望をK様からいただきました。 このご要望に対し、駒澤氏からは靴に重厚感を加えられるウェルトの仕様をご提案させていただきました。具体的には、出し縫いが一周縫われた「ダブルウェルト」と、トリッカーズなどのカントリーシューズに多く見られる、ウェルトが山型に盛り上がった「ストームウェルト」です。 お客様のご希望をじっくりお伺いしながら、最終的にはダブルウェルトを選択。さらに2mmのミッドソールをプラスし、コバにギザスリットを一周入れる仕様をお選びいただきました。 こうした細かなディテールでデザインに"遊び"を加えられるのも、ジョーワークスのオーダーシューズの大きな魅力です。

ライニングカラー:内側に秘めた落ち着いたグリーン

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デザインが決定した後、ライニングのカラーをお選びいただきました。 ジョーワークスでは、標準のヌメ革の他、8色ものカラーライニングをご用意しています。店頭のサンプルをご覧いただきながら、K様が最終的にセレクトされたのは、落ち着いたトーンのグリーンでした。 既製品ではまず見かけることのない、内側に秘めたこの遊び心こそ、オーダーシューズならではの魅力です。

アウトソール:実用性とカジュアルさを両立するビブラム

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続いてはアウトソールをお選びいただきました。今回はお客様がラバーの底材をご検討でしたので、代表的なダイナイトソールとビブラムソールをご紹介させていただきました。 K様から両者の違いについてご質問をいただいたため、見た目の印象、硬さ、減り方の違いをご案内しました。まず、見た目の印象では、ダイナイトソールの方がドレッシーで、ビブラムソールの方がよりカジュアルな印象です。硬さについては、ダイナイトに比べるとビブラムの方がやや柔らかく感じられます。また、減り方は使用頻度にもよりますが、ビブラムの方が摩耗の速度が緩やかな傾向にあることをお伝えしました。 これらの違いをご検討いただいた結果、最終的にビブラム2055をお選びいただきました。

デザイン、ライニング、アウトソールにいたるまで、お客様の好みを細やかに反映してひとつひとつカスタマイズする過程を、K様には存分にお楽しみいただけました。

採寸&フィッティング:既製靴の悩みを解消する

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既製靴選びで「甲が痛くなることが多い」というお悩みをお聞かせいただきました。受注会当日は甲が高めのモデルであるパラブーツのサイズ7.0をお履きで、このモデルではストレスがないとのことでしたが、お持ちのジャランスリワヤの靴では甲が当たって痛みを感じるという状況でした。 お伺いした情報を元に、駒澤氏による採寸を行いました。 足長、幅、甲の高さなどを計測した結果、K様の足型の特徴として、「足長に対して指が長めである」ことが判明しました。この特徴を踏まえ、靴の木型への反映を進めていきました。

JOE WORKSラストの特徴とフィッティングの調整

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ジョーワークスのラスト(木型)は、海外のシューズメーカーと比較して、特に踵がフィットし、土踏まずが絞られた設計になっているのが特徴です。例えば、フランスのメーカーの靴はヒールカップが直線的なため踵が抜けやすいことがありますが、JOE WORKSではその点に配慮しています。 まず、オーダーいただいたJOE-06のサイズ7.0のサンプルをご試着いただきました。 K様からは「少し小指が当たる」というご感想をいただき、改めてサイズの調整が必要となりました。これは、ジョーワークスのJOE-06が、普段お履きのパラブーツよりもタイト目な作りであることが原因だとご説明させていただきました。

サイズ決定:ハーフサイズアップで快適な履き心地を追求

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続いて、JOE-06のサイズ7.5のサンプルをご試着いただきました。 この7.5は、お持ちのパラブーツの7.0と近いサイズ感に相当します。JOE-06はパラブーツよりも若干タイトな設計であることと、足のむくみなどを考慮すると、ジャストすぎるサイズよりもこのサイズ感の方が日常的に快適だとご案内いたしました。もちろん、採寸結果から足長もこのサイズで問題がないことを確認いたしました。 K様に安心してお履きいただけるよう、将来的に底が沈んで緩くなってきた際には責任を持って調整させていただくこともお約束し、サイズを決定いたしました。

チャッカブーツ(ブラック・アリゾナレザー)完成

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ブラックのアリゾナレザーでオーダーいただいたJOE-06のチャッカブーツが完成いたしました。 柔らかく肉厚でもっちりしたアリゾナレザーの風合いは、写真からもお分かりいただけると思います。このレザーとJOE-06の丸みあるフォルムが相まって、重厚感を保ちつつも柔らかな雰囲気に仕上がりました。

特注で加えたダブルウェルトやミッドソールの仕様により、「カントリーテイストをプラスしてキレイすぎないように」というK様のご要望が具現化されています。 結果として、ドレッシーすぎずカジュアルすぎることなく、当初のご要望どおり、お仕事でのジャケパンスタイルからプライベートのカジュアルスタイルまで、幅広くお使いいただける一足となりました。

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ご選択いただいたダブルウェルト、そして2ミリのミッドソール、さらにコバ一周に施したギザスリットが絶妙なバランスで融合しています。特にギザスリットの存在感は抜群で、シンプルなチャッカブーツを重厚かつ遊び心ある一足へと昇華させています。「カントリー風のイメージを取り入れて、キレイすぎないように仕上げたい」という当初のご要望を見事に具現化した仕上がりです。

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優しい色目のグリーンのライニングは、内側に秘められた程よい主張で、とても上品な仕上がりです。 このライニングが、アウトソールのビブラム2055のカジュアルな表情と見事に相まって、センスの良い大人のカジュアルスタイルを体現する一足となりました。ご要望されたジャケパンスタイルにも難なく対応できる、懐の深いチャッカブーツです。

仕上がりご着用:最高のフィッティングとお客様の声

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完成したチャッカブーツをご覧いただいた際、K様から**「お~これはいい!」と、思わず歓声が上がりました。 ご試着では、採寸と調整を重ねた結果、事前にお悩みであった甲の痛みや小指のあたりもなく「全く問題なし!」という嬉しいご感想をいただきました。

一緒にご来店されていた奥様も、仕上がった靴を熱心にご覧になりながら感動されたご様子で、「主人の仕上がりを見たら私も作りたくなりました。レディースのオーダーも可能ですか?」とご質問をいただきました。普段から靴のサイズ選びにお困りのご様子でした。 JOE WORKSではレディース専用のラストはご用意しておりませんが、US4H(22.5cm)からサイズをご用意しているため、サイズが合えばお作りいただくことは可能です。今までもご夫婦で受注会にお越しいただき、奥様にもご注文いただいた事例があることをお話ししました。

「このまま履いて帰りたいけど、勿体ないから辞めておきます」と仰るほど気に入っていただけた様子に、私も大変嬉しく思いました。 大切にお包みし、K様にお渡しいたしました。この一足が、K様のお仕事とプライベートの足元を長く支えてくれることを願っています。

お渡し後のフォロー:快適な履き心地を継続するために

お渡しから3カ月程経過したタイミングで、私からK様にメールにて靴の具合をお伺いしました。 K様からは、「靴は馴染んできて、とてもかっこよく、かつ履きやすい」という、大変嬉しいご感想のお返事をいただきました。 しかし、同時に一つだけ気になる点があるというお話もお伺いしました。(分かりやすい写真も添付してくださいました。) その内容は、「左足のインソール、母指球の右あたりの位置に段差のようなものを感じる。指で触るとアッパー側のライニングとインソールの間に少し隙間があるように思うが、こういう場合どうしたらよいでしょうか?」というご質問でした。

直ぐにこの写真をJOE WORKSの駒澤氏に送り、状況と対応について打ち合わせを行いました。駒澤氏の見解としては、恐らく中底(インソール)のコルクの沈みが始まり、そのエッジが当たるようになった可能性があるとのこと。現物を確認しないと断定はできませんが、この段差は削って慣らすなどの処置が可能であることをお伝えし、後日靴をお預かりして調整させていただくことになりました。

このように、お渡し後の調整やメンテナンスなども責任を持って承ることで、お客様にいつまでも安心してお履きいただけるよう努めております。

K様、この度はありがとうございました。末永くご愛用いただけますことを心より願っております。

JOE WORKS受注会優先案内のご登録について

優先案内希望にご登録いただきましたお客様には、受注会開催の準備段階で事前に候補日を幾つかご連絡させて頂きます。お客様のご都合の良いお日にちをお伺いした後、可能な限りご都合に合わせて開催日を調整させて頂きます。その後、正式に開催日が決まりましたら再度ご連絡を差し上げ、優先予約を承ります。優先案内にご登録のお客様と顧客様にご案内した後、当店のホームページとSNSで受注会開催の告知を行い一般のお客様のご予約を承りますので、その時点で予約枠が埋まってご希望に添えない場合もございます。当店では常時優先案内希望を承っておりますので、ご興味がございましたら是非ご登録くださいませ。

ジョーワークスのオーダーは常時承っております

当店ではジョーワークスの駒澤氏をお招きしての受注会を定期的に開催しておりますが、受注会以外でも、オーダーは常時承っております。店頭にはデザインサンプルとフィッテイングサンプル、革見本を常設しております。また店頭にないサンプルについては取り寄せでご用意することも可能でございます。どうぞお気軽にご覧くださいませ。

小川

お客様のお話をじっくりお伺いさせていただき、ご要望にお応えできるように努めております。オーダーメイドの製作のみならず、スタイリングやコーディネートのお手伝いをさせて頂くことで、お一人お一人の魅力引き立つファッションをお楽しみいただくことが一番の喜びです。是非、お気軽にご相談、お問い合わせください。

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