ビジネススーツの定番であるネイビースーツは絶対的な安心感と裏腹に、ともすると没個性な装いに陥りがちな諸刃の剣的な要素があります。とは言え、主張の強い柄で個性を表現するのはビジネススーツには不向きですし、何より、今のクラシックでエレガントな流れとは逆行している感があります。では、今、ネイビースーツの差別化はどうするのが良いのでしょうか?僕がお薦めするのは、徹底的に素材感に拘ることです。今回ご紹介するスーツは、その答えを示しているように感じます。
エレガントなネイビースーツを差別化するには?
オーダーでしか手に入らない極上のスーツ素材
シンプルなスーツほど、素材の良し悪しが如実に分かると言いますが、その理由は、色柄でごまかしがきかないからとも言えます。柄物が悪いと言うことではなく、無地の場合、素材が際立つというふうに理解して頂けたら幸いです。ご覧の生地はイタリア・ボローニャのマーチャント、ドラッパーズのもので、スーパー150'sウールにカシミヤをブレンドしたソフトフランネルのスーツ素材です。手に取るように分かる素材の滑りや上品な艶は、誰が見ても上質な生地であることは一目瞭然です。
絶妙なピッチのヘリンボーン
織りで柄を表現するヘリンボーン柄は、最もクラシックな柄のひとつですが、このヘリンボーン柄、どことなくモダンな薫りを感じませんか?実はこのやや大きめのピッチのヘリンボーン柄は、有りそうでなかなか無いんですよ。一般的なヘリンボーン柄はもっと細かいピッチがほとんどですが、それを少しだけ大柄にアレンジすることで、伝統柄を新鮮に見せているんです。この辺りのセンスの良さは、流石、ドラッパーズです。
クラシックなスーツはワイドラペルが新しい
クラシックでエレガントな装いが注目される中、スーツのディテールにも変化が表れていて、スーツの顔ともいえるラペルの表情がその最たる例です。これからのクラシックなスーツは、ワイドラペルで襟の角度が下がったものが断然新しいです。特別、新しいデザインではなく、ナポリのスーツの伝統的なスタイルで、時代が巡って、それが今、新鮮に映ると言うことだと思います。極上のドレープを生む素材感、やや大柄のヘリンボーン、ラペルの表情など、そのどれもが決して主張することのない控えめな表現ですが、そのさり気なさが今のスーツの一番のツボです。この魅力は、見る人が見れば必ず伝わります。
オーダースーツ スタイリング詳細
Bespoke Suit (オーダースーツ) : fabric by DRAPERS(ドラッパーズ)
Shirt : LUIGI BORRELLI (ルイジボレッリ)
Tie : FRANCO BASSI (フランコバッシ)
Chief : MUNGAI (ムンガイ)
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オーダースーツおすすめ生地 2019秋冬② DRAPERS(ドラッパーズ) TOP LINE super150's