当店のオーダースーツは軽やかな着心地のナポリ仕立てが特徴です。ナポリの陽光をイメージさせる爽快なライトベージュのソラーロは、軽やかなナポリ仕立てと相性抜群です。お客様からオーダー頂いた事例をもとに、適度に遊びの利いた洒落感のあるソラーロスーツをご紹介させて頂きます。
オーダースーツ Caccioppoli "NEW SOLARO" (カチョッポリ・ニューソラーロ)
ニューソラーロ 素材について
春夏らしい装いを楽しむなら、ソラーロに挑戦するのも大いにアリです。ただ、中には玉虫色の色合いを華美に感じる人もいると思います。この生地の特長は、ソラーロ特有の色の変化を控えめにし、品の良さを追求したことにあります。ソラーロは、本来、日差しを反射する明るい色を表に出し、裏には赤など濃い色が多く出るように織り上げます。そこをあえてタテヨコの色落差を抑えることで、玉虫感を控えめにしてあります。「無地なのにどこか洒落」を地でいくソラーロです。生地の詳細は下記でご紹介していますので、宜しければご覧ください。
【オーダースーツ Caccioppoli "NEW SOLARO" 前編】
ジャケットの前後バランスを体に合わせる
今回、気を付けたのは、前身頃の吊り上がりを防ぎ、尚且つ、後身頃に空間を作ることです。一般的に反身の人はお尻が後ろに突き出しています。試しに一度、体を反ってみてください。その状態で、今度はお尻を前後に動かしてみてください。どうですが?お尻が前だと体がグラついて、お尻が後ろだと安定しますよね?体型的に少し反身でお尻の筋肉が発達している人は、前身頃が吊り上がり、ヒップに当たりが出てベントが開いてしまいます。これを改善する為に、洋服全体を後ろに引っ張るような型紙操作を行いました。そうすると背に空間ができるのでヒップの当たりは緩和されます。洋服を後ろに引っ張る操作とは、どういうことかと言いますと、全体を後ろにズラすイメージで、そうすると背からヒップに空間が生まれますよね。また、後ろに引っ張ると、前身頃が吊り上がってしまいますよね。そうならないように前丈を長くする操作も行っています。
ジャケットの襟が首に吸い付く 手縫いスーツさながらのディテール
今回は、本襟掛けという別オプションをお入れしました。本襟掛けとは、上襟を手で付ける手法で、襟が首に吸い付くので着心地が良くなります。分かり難いかもしれませんが、少し詳しくご説明します。 ジャケットの襟はゴージを境に上襟と下襟に分かれ、さらに、上襟は地襟と表襟に分かれます。地襟とは、襟芯とカラークロスから成る襟の土台です。その土台の上にボディと同じ表地を縫い付けるんですが、それを表襟と言います。 ジャケットの襟付けは、通常は上襟を作ってからボディに縫い付けるんですが、本襟かけは、地襟を先に作ってボディに縫い付けます。その後、表襟をかぶせるように付けます。なので「かぶせ襟」とも言われます。こうすることで上襟が落ち着いて首への吸い付きが良くなります。このように首に吸い付くのぼり襟にすることで、ジャケットが首に乗って着心地が格段に良くなります。
スーツの雰囲気を柔らかくする ゴージの手まつり(手縫い)
そして、上襟と下襟の縫い方も通常とは異なります。上襟とラペルのつなぎ目をゴージと呼びますが、このゴージは、ミシンで縫ってあるものがほとんどです。かぶせ襟は、ここを手縫いでまつっています。手縫いだと、ゴージの線が極めて細く、薄く、優しい雰囲気になります。このゴージの線の雰囲気が柔らかいと、服全体の印象がグッと柔らかくなります。
クラシックな装いにはワイドラペル
クラシックなジャケットは、断然、ワイドラペルがカッコいい!!というのが僕の主張で、これはダブルでも同様です。と言うより、ダブルの場合は襟の存在感が増すので、より全体の印象に大きく影響します。迫力のあるワイドラペルのダブルジャケットは胸元をボリューミーに見せるので、着映えしますし、威厳や落ち着き、更には色気のある着こなしに繋がります。ラペルが細いと着映えしませんし、全体的に貧相な印象を与えるので、クラシックな装いは、是非ワイドラペルのジャケットを着こなしてください!
ラペルの表情を調整し、軽快な雰囲気に
ゴージ位置にも少し触れておきます。ウール&シルク&リネンのこのソラーロは、上下単品使いできるのも魅力です。ジャケット単品使いした時、Tシャツやポロとの合わせを想定して今回はゴージ位置を5ミリ上げて軽快感が出るようにしました。たった5ミリで変わるの?そう思うかもしれませんが、ゴージ位置の5ミリって、結構、大きいんです。こういう細かなところまで気を配れるのがオーダーの醍醐味なので、試す価値は十分にあります。
ソラーロスーツに躍動感を与えるダブルステッチ
色の差を控えめにした上品なベージュソラーロスーツに躍動感を与えるディテールとして、今回はダブルステッチをご提案させて頂きました。ダブルステッチとは、ご覧のようにステッチを2本入れる仕様で、ナポリ仕立てを代表するディテールです。スーツ自体がややデコラティブになるので、ナポリのハンドメイドスーツを想起させ、手仕事の温もりを感じることができます。スーツの着心地には何ら関係ありませんが、スーツ好き垂涎のマニアックなディテールです。
スーツに軽快さを与えるマニカカミーチャ
袖付けはマニカカミーチャです。マニカカミーチャとは袖先にギャザーを入れて袖付けをする方法で、肩の副資材を省くことで、着心地は勿論、見た目にも軽快さを与えるディテールです。ダブルステッチ同様、職人の手仕事の温もりを感じるナポリのスーツならではの仕様です。
Bespoke Suit(オーダースーツ) スタイリング詳細
Bespoke Suit(オーダースーツ) : fabric by Caccioppoli(カチョッポリ)
Shirt : LUIGI BORRELLI(ルイジボレッリ)
Tie : Francesco Marino (フランチェスコマリーノ)
Chief : MUNGAI (ムンガイ)
今回のカチョッポリ・ニューソラーロスーツの動画はこちら
【オーダースーツ Caccioppoli "NEW SOLARO" 前編】
【オーダースーツ Caccioppoli "NEW SOLARO" 後編】
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