「秋冬の装いはどうしてもダークカラーが中心になりがち」「大人の品格を保ったまま、少し綺麗な色を装いに取り入れてみたい」 そうお考えの方に、ぜひ一度手にとっていただきたいのが、イタリアの老舗テキスタイルメーカーPIACENZA(ピアチェンツァ)のシルク51%・カシミヤ49%(250g)のジャケットコレクションです。この生地の一番の魅力は「抜群に綺麗な発色の良さ」にありますが、それを際立たせているのが大柄ヘリンボーンの表情豊かな織り柄です。織りの立体感が光の陰影を生みだし、生地が持つ美しい色合いをより奥深く見せてくれます。スカイブルーやテラコッタ、ラベンダーといった華やかなカラーも、とても上品な発色で着る人の佇まいをエレガントに演出してくれます。こうした華やかな色合いを品良く自然に着こなせる背景には、一般的な生地とは一線を画す極上の素材選びがあります。
品格ある発色を生む2つの理由

この生地が見せる奥深い色彩は、ピアチェンツァが長年培ってきた高い技術に加え、原料そのものへの徹底したこだわりがあってこそ生まれます。
アラシャンカシミヤの厳格な調達ルート
ピアチェンツァの生地に使われているのは、カシミヤの中でも最高品質を誇り、「カシミヤの中のカシミヤ」と称されるアラシャンカシミヤです。このアラシャンカシミヤの原毛は、お金を出せば誰もが自由に買い付けられるものではない、という特別な背景があります。アラシャンカシミヤの調達は、世界の高級毛織物・ニットメーカーが加盟する国際的組織「CCMI」の厳格な基準のもとで行われています。CCMIは加盟企業が世界でも20社に満たない極めて審査の厳しい組織です。加盟しているのは、ロロ・ピアーナやエルメネジルド・ゼニア、ブルネロ クチネリ、そして最高級ニット糸を供給するカリアッジといった、そうそうたる名門企業ばかりです。
ピアチェンツァは、このCCMI会員であるイタリア名門の紡績業者(カリアッジ社など)と強いパートナーシップを結んでおり、CCMIの厳格なルートを通じて最高品質のアラシャンカシミヤを安定調達しています。さらにピアチェンツァ自身も、最高級ウールの織物メーカーとして世界トップクラスの実績を持ち、CCMI内部のスーパーファイン・ウール部会の品質基準や査察を常にクリアしています。まさにCCMIの厳格な管理ネットワークの恩恵を100%享受している特別なパートナー企業だからこそ、この極上の原毛を使った生地作りが実現しています。
濁りのない染色と発色
アラシャンカシミヤが特別な発色を生み出すもう一つの大きな理由は、「原毛そのものが真っ白である」という点です。通常、ウールや一般的なカシミヤの原毛は、脱色処理を施したとしても完全な純白にはならないと言われています。一方でアラシャンカシミヤの原毛は純白の状態です。 ベースとなる綿(わた)が真っ白だからこそ、染料を乗せた際に余計な影や濁りが混ざらず、非常に綺麗でクリアな色合いに染め上がります。この「白綿からの綺麗な染色」があるからこそ、生地の奥深くから光沢と色が湧き出るような抜群の発色が実現しています。さらに、原毛自体のクオリティが極めて高いため、鮮やかな色でも華美すぎない極めて上品な佇まいに仕上がります。
なぜアラシャンカシミヤは「カシミヤの中のカシミヤ」と呼ばれるのか?
一般的なカシミヤは、中国やモンゴル、イラン、アフガニスタンなどに生息するカシミヤ山羊の産毛から採れる獣毛繊維全般を指し、品質にも幅があります。その中でアラシャンカシミヤが特別に扱われる理由は、その生育環境と採取方法にあります。
厳しい自然環境が育む、繊細で質の高い繊維
アラシャンカシミヤは、中国の内モンゴル自治区最西部にある「アラシャン地区」に生息する山羊から採れる素材です。この地域は夏は40度以上、冬はマイナス30度に達する極めて過酷な気候環境です。このような環境に適応するため、アラシャン地区の山羊は、細くて長い産毛を身につけます。この厳しい環境がアラシャンカシミヤならではの上質な原毛を育む土壌となっています。
手作業によるコーミングと、世界生産量のわずか1%という希少性
アラシャンカシミヤの採取方法は手作業によるコーミング(櫛で梳く)が一般的です。春先(3~5月)になると自然に抜け落ち始める柔らかい産毛を丁寧に櫛を使って梳き取ります。この方法は、粗い剛毛と混じり合う産毛の中から、最も細く、長く、柔らかい上質な部分のみを選別して採取するために重要です。カシミヤ山羊1頭から取れる産毛は年間わずか150g〜200g程度ですが、その中でもアラシャン地方で採取される原毛の生産量は、世界全体のわずか1%と言われています。アラシャンカシミヤは特に品質が高く採取量が少ないため、さらに希少性が増します。この極めて少ない供給量が「カシミヤの中のカシミヤ」と呼ばれ、最高級品としてCCMI加盟企業のみで取引される理由となっています。
アラシャンカシミヤとカシミヤの違い
カシミヤとは、カシミヤ山羊の産毛から採取される獣毛繊維全般を指す言葉です。その中でも、アラシャンカシミヤは特定の産地で非常に厳しい環境下で育った山羊から採れる最高品質のカシミヤを指します。以下に主な違いをまとめました。
産地と希少性
• カシミヤ(一般的)
中国、モンゴル、イラン、アフガニスタンなどが主な産地です。品質は産地や等級によって様々です。
• アラシャンカシミヤ
中国内モンゴル自治区の最西部にあるアラシャン地区という、冬はマイナス30度にもなる非常に過酷な環境で育ったカシミヤ山羊の産毛から採取されます。年間生産量は世界全体のわずか1%程度とも言われ、極めて希少価値が高いです。
繊維の品質
• カシミヤ(一般的)
繊維の細さ、長さ、異物混入率(ヘアー混入率)によって1級から9級などに分けられます。細ければ細いほど、長ければ長いほど高品質とされます。
• アラシャンカシミヤ
カシミヤの中でも最も繊維が細く(14~15ミクロン程度)、長く、そして白く光沢があるのが特徴です。この極上の繊維が滑らかな肌触りや、優れた保温性を生み出します。その品質と希少性から、「カシミヤの中のカシミヤ」とも呼ばれています。
風合いと特徴
• カシミヤ(一般的)
産地や加工方法によって、柔らかさ、光沢などに幅があります。
• アラシャンカシミヤ
非常に細い繊維がより多くの空気を抱え込むため、抜群の保温性と圧倒的な軽さを兼ね備えています。素材のなめらかさ、光沢、非常に美しい発色は高級とされるカシミヤと比べても群を抜いています。
大人の装いを格上げするカラーバリエーション
このアラシャンカシミヤの発色の美しさは、定番色はもちろんのこと、装いに新しい風を吹き込むような華やかなカラーにおいてもしっかりと真価を発揮します。
グリーン / ダークグリーン


主張しすぎない柔らかいグリーンと素材の良さが深みとなって現れるダークグリーン。品格を保ったままさりげないお洒落を楽しめます。
ブラウン系(ライトブラウン / キャメル / ブラウン)



一般的なブラウンよりも軽快な雰囲気で透明感のあるクリアなトーンです。一目で「良い生地のジャケットを着ている」と伝わる上質さです。
ネイビー系(グレイッシュネイビー / ネイビーブルー / ネイビー)



グレーがかったニュアンスネイビーとクリーンな明度のネイビー。定番色だからこそ、発色の違いによるエレガンスが際立ちます。
アクセントカラー(マスタード / スカイブルー / テラコッタ / ワイン)




華やかなカラーも原毛が純白で極上だからこそ、華美すぎることなく大人に相応しい落ち着いた色調に収まります。「装いに華やかさが欲しい」という思いを叶えてくれる色合いです。
大人の魅力を引き出すジャケット
こうした鮮やかで綺麗な発色のジャケットは、年齢を重ねた深みのある大人やシルバーヘアの男性が羽織ってこそ、圧倒的な格好よさを引き出します。スカイブルーやテラコッタ、ラベンダーといった華やかな色合いも、渋い大人の男性が羽織ることで「派手さ」ではなく「貫禄」と「余裕」へ変わります。グレーヘアとアラシャンカシミヤの上質な光沢が見事に調和し、落ち着きのある洗練された佇まいを演出してくれます。言葉だけでは伝えきれないこの圧倒的な発色の美しさと、上質な肌触りを、ぜひ店頭で実際にご体感ください。
次回は、このピアチェンツァのカシミヤ&シルクで仕立てた私のジャケットの着用レビュー・Vゾーンコーディネートをご紹介します。どうぞお楽しみに。












