今回は2021秋冬おすすめ生地の第2弾。イタリアのピアチェンツァのカシミヤをご紹介します。ピアチェンツァはカシミヤやキャメルなど、高級素材で有名なメーカーですが、この秋冬は、そのピアチェンツァから、とてもユニークなカシミヤがリリースされました。こちらがその生地で、ただのカシミヤではなくて、カシミヤのダブルフェイス。しかも、ジャージです。
オーダースーツおすすめ生地 2021秋冬 PIACENZA "CASHMERE" (ピアチェンツァ "カシミヤ")
素材混率はカシミヤ88%・ナイロン12%で、ウエイトは230gです。このカシミヤジャージ、特筆すべきは素材感です。皆さん、ジャージって聞くと、何か安っぽいイメージってありませんか?生地の製造でいうと、ジャージは、一般的なウールを織るよりも糸の本数が多く必要なんです。でも、世の中に溢れているジャージ製品は販売価格を安くするために、糸の本数を減らして生地製造のコストを下げています。だから、一般的なジャージ製品は糸がスカスカで、型崩れするものが多いんです。ピアチェンツァのカシミヤジャージは、多くの糸を使用しているので、しっかり目が詰まっています。勿論、ジャージなので、素材特性による伸縮による寸法変動はありますが、ヨレヨレになったり型崩れしたり、そういった心配はありません。
カシミヤスーツとしても十分な強度
そして、素材混率にも注目です。ナイロンが12%混紡されていますが、これには理由があるんです。カシミヤ100%のジャージの方がラグジュアリーで良いんじゃないの?そういう意見もあると思いますが、ナイロン混紡には理由があるんです。先ず、カシミヤは非常にデリケートな素材で、しかも今回はカシミヤをジャージにして、かなり伸縮性を持たせてあります。そうなると一番心配なのが生地の強度です。その強度を高めてくれるのがナイロンなんです。ナイロンを12%混紡することでカシミヤの風合いを残しつつ、十分な強度が担保されます。これなら、パンツもOKなので、ラグジュアリーなカジュアルセットアップにもなります。
PIACENZA "CASHMERE" (ピアチェンツァ "カシミヤ")
カシミヤ88% ナイロン12% 230g