1月13日~16日、フィレンツェで開催された紳士服の見本市「ピッティ ウォモ」に行ってきました。 2009年秋冬の最新情報を逸早くお知らせします!!
ホットアイテム
来季、最大のトレンドアイテムは、一枚仕立てのジャケット&スーツ!! それも、ウールに洗いをかけた物に大注目!! ベルヴェストなどのクラシコブランドで多く見られたのが、カシミア素材・製品染めのジャケットです。 コットンなどでは良く見られる手法ですが、来季はカシミアなどのエレガンスマインドの素材を スポーティーな表情に仕上げるのが主流に。
カラー
差し色として、パープルが断トツの人気でした。 ネイビーやブラウン、グレーといったベーシックカラーに一点投入するスタイルが中心。 中には、パープルのカシミアジャケットの製品染めジャケットも見かけました。
柄
来季もチェック人気は継続しそうです。 トレンドに敏感の方、来季はガンクラブチェックが旬ですよ!! カシミア素材で深いパープルのそれなら、トレンドど真ん中かと。
Personality ネクタイ
粋でオープン以来展開をしてる、イタリア ミラノのネクタイ専業メーカー「Personality」。(パーソナリティー) 今回のピッティーウォモでも、2009秋冬の新作をオーダーしてきました。 2009秋冬はネクタイ幅8cmの気持ち細みのタイをオーダーしてきました。 カシミア素材の台頭が顕著な来シーズンは、Vゾーンをバランス良くまとめるにはウールタイがポイント。 素材が持つ野暮な印象を今風に昇華させるように、ウールタイのみ7.5cmのナロー幅でオーダーをしました。
ミラノ中心地の程近くに、本社兼工房を構えるパーソナリティー。 一点ずつハンドメイドで作られるパーソナリティーのタイは、締め心地抜群です!! ミラノの高級ショップ、アルバザールやジェメーリなどでも多くのファンをつかんでいます。 小規模な家族経営ながら、自社で上質なシルクを買い付け、その生地バリエーションには圧巻です。 毎回、ネクタイの発注に一番時間が掛かります・・・。 今回も午後6時までの会期時間に対し、全てが終了したのは7時半を過ぎていました・・・。 大幅に時間をオーバーしてしまいましたが、嫌な顔ひとつせず紳士的な対応をしてくれました。
そんなパーソナリティーの社長、Mr Gianangelo Rugginenti(写真右)家族の写真をパチリ!! まじめな人柄が、丁寧な製品作りに反映されています。
Dellga バッグ
「DELLGA/デルガ」は、鞍などの革製の乗馬用具メーカーとして1966年イタリア・ミラノに創業。 馬具製造で培った確かな技術が現在の製品に反映され、鞄メーカーとしてイタリア国内外で高い評価を 得ています。粋でもオープン以来、展開をしています。 勿論、2009秋冬もオーダーをしてきました。 ブラックやブラウンのバッグは、どこのショップでも展開をしているので面白みに欠けるかな・・・と思いました。 どこにも無くて、新鮮なものはないかと考えた末、「スペシャルカラー」を別注しました。 デザインは1型。トートに絞りました。 注目の展開カラーは、「ロイヤルブルー・レッド・オレンジ」。 さらに別注デザインとして、「ブラウン×レッドのパイピング」、「ネイビー×ホワイトのパイピング」を作りました!! なかなかお目に掛かれないカラーバッグ。 きっとスーツスタイルに華を添えてくれるアイテムになると思います!!
ORTIGNI シューズ
1930年創業のシューズメーカー「ORTIGNI」(オルティーニ)は、フィレンツェに本社を構える従業員5名の小さなメーカーです。 粋では、現在「DUCAL」というシューズメーカーを展開しているのですが、趣の異なるブリティッシュ テイストのイタリア靴という位置付けで、2009秋冬から「ORTIGNI」の取り扱いを始めます。 イギリスの「アルフレッドサージェント」と「オルティーニ」、どちらを展開しようかかなり迷いました。2日間悩みに悩んだ末、オルティーニのシューズが持つ色気にイギリスのエッセンスをミックスさせた方が、 捻りが効いて面白いと思い、「オルティーニ」に決めました!! ラスト(木型)は写真のモデルよりも、ノーズの短いややポッテリした物をセレクト。 ブラウンのフルブローグ、ブラックのWモンク、ミディアムブラウンのデザートブーツの3型から スタートです!!
PT01 PT05 パンツ
PT01ピーティーゼロウーノ・PT05ピーティーゼロチンクエのブースを 訪問してきました。 ブース内ではイタリア語・英語が飛び交い、PT01ピーティーゼロウーノ人気は日本のみならず 世界的なものであると実感しました。 気になったモデルは下記の通り。
PT01
- BRIT CHINO(ブリッチーノ) ウールでブラウンのハウンドトゥースが粋でした。
- bespoke(ビスポーク) ポケットにパイピングが施されたモデル。ウールでの提案、さすがです!!
- fitzgerald(フィッツジェラルド) イタリアでは大人気のモデルとか。製品染めのカジュアルなライン。
PT05
デニム以外に、2009秋冬はチェックやコーデュロイでの提案が数多く見られました。
JOHN SMEDLEY ニット
JOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)のブースを訪問しました。 JOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)は、シーアイランドコットン、24ゲージ・30ゲージのニットが有名です。 今回のPITTI UOMOでも、バッチリ提案されていました。 2009秋冬、JOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)の打ち出しカラーはパープル!! すごくきれいな発色で、改めて使用する原毛の質の高さを実感しました。 このパープルをミドルエイジの渋い男性が着たら、絶対にカッコいいです!! 新モデルで気になったものは下記の通り。
- ホールガーメント 縫い目が全くない一枚仕立てのニット。体へのフィット感は抜群でした。
- ボディーコットン 見た目は普通のセーターですが、袖は24ゲージ、背中は30ゲージのウールを使用した玄人好みの逸品です。
- アーガイルベスト 柄の部分にウールとコットンを交互に使用して、素材感を出しています。これ、かなり面白いです!!
古き良き伝統を守る一方、時流を取り入れた新モデルを発表するJOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)。 その程好いさじ加減、さすがですね!!
CALIBAN シャツ
最終日、イタリアのシャツメーカーCALIBAN(カリバン)のブースを訪問しました。1950年代に創業したCALIBAN(カリバン)は、イタリア国内では50年来存在するシャツメーカーです。コレクションに使用される生地は、エクスクルーシブ素材を多用し、イタリアを代表するシャツ生地メーカー「ALBINI」・「CANCLINI」・「MONTI」より生地調達を行っています。また、常に最新のファッション動向に目を向け、毎シーズン、サイズスペックの見直しが行われています。スリムフィット・スーパースリムなど、時流を捉えたコレクションが展開されています。粋ではカジュアルシャツをメインにバイイングを行っています。 2009秋冬は、トレンドラインとして「CLBN」というラインが発表されました。気になったモデルは下記の通り。
- ラウンドカラー スポーティーな大柄チェックでの提案。ブリテッシュな衿型がモダンに表現されていました。
- ピンホールカラー 洗いのかかった素材での提案で、ほのかにモードな香りが漂っていました。
写真の彼は、そんなCALIBAN(カリバン)を支えるデザイナーです。 自身のデザインに絶対的な自信を持つ、熱い男でした!!
BAGLIONI UOMO
PITTI UOMO会場を後にして、すぐ近くで開催されている「BAGLIONI UOMO」(バリオニ ウォモ)という展示会を訪問しました。 ここでは、PITTI UOMOには出展できない小規模なメーカーが、ホテル内に小さなブースを構えて 新作を発表しています。 こういう所で無名ながら良い商品を作っているマイナーなメーカーが見付かったりするものです。 4つ星ホテルの1階~4階まで、びっしりと各メーカーのブースで埋め尽くされています。
全てのブースをくまなくチェックし、BORRIELLO(ボリエッロ)というナポリのシャツメーカを見付けました。120双や140双という細番手コットンを用いて製品が作られていました。 ハンドメイドライン・マシンメイドラインが存在し、どちらも肩の収まりが抜群!! 価格も驚くほどリーズナブルで、これは是非、粋のお客様に御紹介をしなければいけないと思いました。 まずは、ファーストサンプルとしてレギュラーカラーでクレリックを作ってみます。サイズ感・細かな仕様をチェックし、修正を加えた上で本格的に展開予定です。