「筋トレしているからオーダースーツにしていたのに、スーツが体に合わなくなってきた」という悩みを解決したお客様事例

フィッティング / 2022/12/30

20221204_drapers_covert_cloth_suit_06.jpg昨今のコロナ禍による健康ブームも相まって、ジムで筋トレに取り組む人が増えています。 同時に、その鍛え上げた肉体が仇となって、「手持ちのオーダースーツが着られなくなった」・「今までのオーダーでは体に合わない部分が増えてきた」という悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回のお客様は、トレーニングや食事制限で体型が変わり「手持ちのスーツが体に合わなくなってきた」ということでした。胸板が厚くお腹も引き締まっている逆三角形体型なので、ジャケットは肩と胸廻りに合わせるとウエストが大きく、ウエストに合わせると肩と胸廻りが窮屈になってしまいます。 パンツもウエストに合わせるとヒップと太ももがタイトすぎてしまい、椅子に座っていると苦しさを感じるほど。お手持ちのスーツのパンツが裂けてしまうこともあったようです。

今まで10年以上スーツをオーダーしていらっしゃったお店にご相談されたようですが、「MTM(パターンオーダー)のサイズ補正の限界値を超えてしまうので対応が難しいです」という返答だったため、仕方なく体に合わないスーツを我慢してお召しになられていましたが、もう我慢の限界・・・ 「自分の体に合った着やすく動きやすいスーツが欲しい」ということで、当店のホームページやInstagramをご覧くださり、お電話でお問い合わせ頂いた後、ご来店くださいました。

鍛え上げた体に合ったスーツをお作りする為のこだわり

今回、お客様からご相談いただいたポイントは、以下の3点です。

  1. ジャケットは肩と胸に合わせるとウエストが大きい
  2. ウエストに合わせると肩と胸が窮屈
  3. パンツはウエストに合わせるとヒップと太ももが窮屈。

この他にも細かな項目はありますが、絶対に解消したいとお考えのポイントは上記の3点でした。
以下にこの3点を考慮し、他の補正も交えながらどのようにフィッティングを行いお作りさせて頂いたのかをお話しさせて頂きます。

トレーニングで筋肉が付き盛り上がった胸廻りをキレイに収める

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左がゲージサンプルご試着時、右が仮縫いフィッティング時の写真です。
筋トレで大胸筋が発達していらっしゃるので、ジャケットをお召しの際、左の写真ごのように胸が開いてしまいます。これはお体に対して洋服のバストの高さが不足しているから起きる現象です。筋肉が付くと胸廻りが盛り上がりますよね?この盛り上がった分の高さが不足するからジャケットを着た時に胸が開いてしまうということです。

バスト周り(胸囲)の寸法を大きくすれば物理的には胸の浮きは収まります。バスト寸法を大きくするということは横方向に広げるということです。胸囲をメジャーで測る時、メジャーを横方向にして使いますよね?そうお考えいただくと胸囲が横方向の寸法であることがお分かり頂けると思います。ですが、このお客様の場合、不足しているのは横ではなく高さですから、胸囲を大きくすることは必要ですが、それだけでは根本的な解決にはなりません。

専門的な話になるので詳細は割愛しますが、仮縫いでは、バストを大きくしつつ、洋服の胸の高さをお客様のお体にお合わせしてお作りさせて頂きました。2つの写真を見比べて頂くと、スッキリしているのに胸がキレイに収まっているのがお分かり頂けると思います。

このバストの高さを出す調整はビスポーク(フルオーダー)並みの補正で、一般的なMTMでは対応が難しい項目のひとつです。

逆三体型のプロポーションに沿ったウエストライン

分厚い胸板でお腹周りが引き締まっている今回のお客様の最適なサイズは、ジャケットが52でパンツが48です。ウエスト寸法は、ゲージサンプルから全体で9㎝細くしてお作りさせて頂きました。胸廻りから腰廻りまでのわずかな距離でこれだけ詰めるのはかなり無理があるので、一般的なMTMでは対応できないのも納得です。当店のMTMは補正やサイズの限界値は設けていないので問題なく対応可能です。ウエストを体に沿わせることで、逞しい上半身が際立ち、とても艶っぽいスーツスタイルがお楽しみ頂けます。肩と胸廻りもキレイに落ち着き、ボディラインに自然に沿ったウエストで本来お持ちのプロポーションを活かしたサイズ感でお作りさせて頂きました。

発達した大胸筋に吊られた前身を落ち着かせる

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こちらは当店のゲージサンプルをご試着頂いた時の写真です。胸元にご注目ください。大胸筋が発達していらっしゃるのでバストに引かれてジャケットの前身が吊られているのが何となくお分かり頂けるでしょうか?横からもチェックすることで、正面から見た際の胸の開きはバストの高さが不足していることが原因であることが分かります。加えてバストに高さがあることで、お客様のお体に対してジャケットの前身の寸法も不足しています。先程のバストの高さと同様、前身の距離を長くするのもビスポーク(フルオーダー)クラスの調整内容で、一般的なMTMでは対応が難しい項目です。

胸を張った体型に合わせてジャケットの前後バランスを整える

20221211_macho_suit_order_16.jpg左がゲージサンプルご試着時、右が仮縫いフィッティング時の写真です。
大胸筋が発達していらっしゃる方は、胸に筋肉が付いているので自然に胸を張った姿勢になります。体が後ろに反っているということは、洋服もその分、後ろに引かれます。その状態が左の写真です。ジャケットも前身が吊り上がっているのがお分かり頂けるでしょうか?一方でお客様のお体に合わせて前後バランスを調整させて頂いたのが右の仮縫いです。左と比べると前身の吊り上がりがなく落ち着いているのがお分かり頂けると思います。筋トレで体を鍛えていらっしゃる方は、体の前半分の方が後ろ半分よりも面積が広い場合が多いので、それに合わせて洋服の前後バランスを調整させて頂きました。そうすることで必要な箇所にはゆとりが入り、不要な箇所のゆとりはなくなるので、見た目にスッキリするのは勿論、着心地も格段に良くなります。

筋肉が付き盛り上がった二の腕の窮屈感を解消する

20221211_macho_suit_order_17.jpg左が仮縫い、右が本縫い上がり(最終仕上がり)の写真です。
筋トレで体を鍛えていらっしゃる方はスーツの二の腕にも窮屈さを感じることが多いのではないでしょうか。腕が太いのでジャケットを羽織ると二の腕が盛り上がってしまい、更に運動量が少ないので手が前に出し難かったりします。袖幅が不足しているのが主な原因ですが、オーダースーツでそれを解消する場合、単純に袖幅を広げれば良いというものではありません。本縫いでは、袖幅、肩幅、胸廻りを連動させて調整し、見た目にスッキリしつつも運動性を確保して、二の腕がキレイに収まるようにお作りさせて頂きました。横から見た時に色気のあるスーツスタイルがお楽しみ頂けるよう、袖口はあえて細くし、逞しい二の腕から細い袖口にかけて細くなるテーパードラインを形成しました。袖のシルエットを整えるビスポーク(フルオーダー)並みの調整を加えることで着心地は勿論、見た目も格段に良くなります。

トレーニングで発達したヒップの窮屈感を解消する股上調整

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左が46サイズのゲージサンプルご試着時、右が48サイズのゲージサンプル試着時の写真です。
お客様からはトレーニングでヒップにも筋肉が付いて大きくなったとお話を伺いました。ヒップの収まりが悪いと窮屈感があるので、快適にお召し頂けるようにヒップ全体を包み込むように股上を調整させて頂きました。ゲージサンプルをご試着いただいた感じでは左の46サイズだと、もう少し股上を深くした方が履き心地が良くなると感じました。一方、右側の48サイズの場合だと今度は股上が深すぎて野暮ったく見えます。

『本縫い上がり』
20221211_macho_suit_order_18.jpgゲージサンプルご試着時、股上は46だと浅い、48だと深いという状況でしたので、本縫いでは、その中間を目安にお仕上げさせて頂きました。前から見ても股上の収まりはキレイですし、横から見てもヒップ全体を覆ってくれる丁度良い寸法で不自然なシワや余りもなくスッキリしています。

筋肉で盛り上がった太ももの窮屈感を軽減する前幅調整

20221211_macho_suit_order_19.jpg左が仮縫い、右が本縫い上がり(最終仕上がり)の写真です。
仮縫い時、太ももの前側に若干ですが当たりが見られましたので、本縫いではシルエットを太くするのではなく、パンツの前幅を広くして太もものゆとりを確保しました。トレーニングでは太ももの前側に筋肉が付いて盛り上がることが多いと思いますので、それが影響しているのではないかと予測しました。お手持ちのスーツのパンツが裂けたり、窮屈感をお感じになられていたのは、パンツの前後バランスも影響している可能性が高いと思います。

一般的なMTMの場合、太もものゆとりが欲しい時はシルエットを太くする方法が採用されますが、それだと欲しい箇所に必要なゆとりを確保することができません。太もも全体の寸法を変えず、前後バランスを変えることで前側にゆとりを入れる調整もMTMの域を超えた補正内容のひとつです。

オーダースーツ お仕立て上がり

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ジムでのトレーニングや食事制限で体型がお変わりになって窮屈感をお感じだったのは、肩・胸・二の腕・太もも・ヒップです。そこを調整させて頂くことで鍛え上げた体に自然に沿った着やすくて美しいシルエットのスーツをお作りさせて頂くことを心掛けました。お客様からは『ゆとりがあるのにフィットしている不思議な着心地。最高のスーツができました』という嬉しいご感想を頂くことができました。

私は適度に筋トレをして厚い胸板を持った逆三角形体型の方はスーツが似合うと思っていますが、そういったご体型の方は、一般的なMTMでは対応が難しいのも事実です。当店でご案内するのはビスポークにも対応している技術を活かしながら補正やサイズの限界値を設けていないMTMで、ビスポークよりも予算を抑えてスーツをお仕立てすることが可能です。

「ビスポーク(フルオーダー)じゃないと自分に合ったスーツにならないのでは?」とお悩みの方にもご満足いただける一着をお作りさせて頂きます。是非、お気軽にお問い合わせくださいませ。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

小川

お客様のお話をじっくりお伺いさせていただき、ご要望にお応えできるように努めております。オーダーメイドの製作のみならず、スタイリングやコーディネートのお手伝いをさせて頂くことで、お一人お一人の魅力引き立つファッションをお楽しみいただくことが一番の喜びです。是非、お気軽にご相談、お問い合わせください。